Hello, againコイン
Hello, againな人たち
昔からの豊かな自然と
生物多様性が保たれる飯能
この自然と文化を守り、伝えたい
やまね酒造株式会社
若林 福成 さん
#生物多様性
#文化伝承
やまね酒造は、令和元年創業の生まれたばかりの酒蔵です。「やまね」は、飯能市に生息している日本の固有種であり、国指定天然記念物。成獣でも10cm前後の小さないきものです。そのニホンヤマネが生息できる豊かな自然環境を守り、その価値を後世に繋いでいく役割を果たしたいとの想いから、このニホンヤマネを酒蔵名として冠しています。
道路沿いの目立つ立地、実はコンビニ跡地というやまね酒造
発酵し続ける生きている「どぶろく」製造中。甘酒も人気
私は幼い頃から自然とそこに生きる生き物たちが大好きでした。その気持ちに従い、大学でも生物学を専攻。その間も「自分の手で自然と生き物たちを守りたい」「素晴らしさを多くの人に知ってもらいたい」、それが叶う仕事がしたいと考えて続けていました。「ではなぜ酒蔵?」「飯能の地で?」と思う方もいらっしゃるでしょう。酒は、微生物の働きによって造られます。やまね酒造設立前には、日本酒バーを経営して研究し、酒蔵を全国に50以上訪ね、修行もしました。結果「多くの生物が暮らせる豊かな自然環境が酒を美味くする」という気づきを得たのです。だから、この飯能を選びました。飯能にはやまねをはじめ多彩な生き物が息づいています。その豊かさと多様性。この環境なら、酒造りはそこに棲む微生物に任せても安心できる。自然を守ることに没頭できる。そう考えたのです。
飯能の西川材を小豆島に送り、作ってもらった特製の木桶
酒造りに使う道具や材料は、全て地産地消にこだわっている
文化も守り、伝えたいと考えています。酒造りに使うこの木桶。もはや作れる職人は、小豆島にしか残っていません。そして、日本固有である木桶仕込みの醤油・清酒・どぶろくなどの発酵食品も、全体の約1%しか作られていません。この文化も守りたい。
そんな事実、そして私の思いを、ここで伝えたい。そのためにエコツアーを開催しています。飯能の豊かな自然を、目で見て耳で聞き、全身・心で感じて欲しい。そして素晴らしさ、数多の生物と共生している私たちの暮らしについても知っていただきたい。その後で、微生物が造ってくれたやまね酒造のお酒を味わってもらいたいのです。四季に合わせて自然も動物も表情を変えます。ぜひ何度も足を運んで、共に飯能の自然、その素晴らしさを感じていただきたいと思っています。
エコツアーでは動植物についての専門的で楽しい話が聞ける
大学時代に起業を経験。ビジネスも深く学んできた若林さん