Hello, againコイン

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Hello, againな人たち

100年守り続けたのは
「ここでしか出会えない」
そんなお米を売ること

お米と豆と粉の店 こめよし商店

岡部 久功 さん

#飯能出身

#文化伝承

#100年以上の歴史

#親子

#元気な商店街

100周年を迎えました。2022年の4月でしたね。じいちゃんが店を開いた時は、店から飯能駅が見えるくらい、なんにもなかったんですって。当時このあたりは材木置場だったらしいですよ。西川材の。じいちゃんは、名栗の材木屋の次男坊です。親父はね、婿養子。教員を目指して『埼玉師範(現:埼玉大学)』へ進みましたが、志半ばで志願兵になりました。帰ってきて母と結婚して、ここを継いだんです。自分はじいちゃんと同じ、次男です。兄がね、父譲りなのかな、「教師になりたい」って。それを聞いた時じいちゃんが、悲しそうな顔してね。「ああ、オレが継ごう」って。中学生のころでした。

お米の特徴などがわかりやすくかかれた店内

実際に食べ比べて最適な精米具合を決めるそう

小麦粉やら蕎麦粉やら。豆もレンズ豆とかいろいろあるでしょう。米より目立ってる? 親父がね、お客さんから「アレはないの?」「こんなのあるといいな」って聞かれると、仕入れちゃうんです。それでこうなった。人と話すのが楽しかったんでしょうね。教師やりたかったくらいだし。そういうところは、親父に似てますね。お客さんと話すのが、めっぽう好きなんです。3代目を継いで、こめよしで変えなかったもの、変えたくなかったもの、それが「お客さんと話して、欲しいものを見つけて提供する」というスタイルです。

東京の米穀店で修行後、
23歳から30年以上お店を守る岡部さん

店頭では先々代、先代が使っていた帳簿が見られる

米屋って、減ってるんですよ。でもね、米屋にしかない良さがある。米屋にしか売れないものがある。と、思ってやってます。お米って、同じ品種でも一俵ごとに特徴が違うんですよ。それを見極めて、いちばん美味しい精米具合を考える。お客さんも一人ひとり違うでしょう。だから好みを聞いて、家族の人数を聞いて、一番合ってるお米を、ちょうどの量だけ精米してお分けする。お米の一粒にだって手を抜かない。せっかくうちに来てくださったんだ、おいしいお米を食べて欲しいじゃないですか。だから話します。話し過ぎちゃうこともあるけど。そうやって自分も30年以上やってきた。そう思うと、こめよしの歴史の3分の1は自分が背負ってたことになりますね。じいちゃん、喜んでくれてるといいな。

お米以外にも豆と粉も多彩に取り扱っている

お米の水分量などの特徴に合わせて微調整して精米する

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